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アプローチしてくる職場のAさん

私は以前、派遣社員として、数々の職場に行っていました。これからの話は、数年前とある大手企業に三ヶ月派遣された時のことです。

何度派遣されても、配属されたばかりの日というのはやはり緊張するもの。そこは特に大手ということで、いつにも増してガチガチになっていました。隣の席の女性社員に一通り、社内の案内や仕事の流れ等を教えていただき、一息ついた時

「あまり硬くならないで頑張って!」と、斜め前の席の男性社員の、Aさんが声を掛けてくれました。

仕事中も、隣の社員の人とのセンスある会話が聞こえてきます。パソコンで入力作業をしていてふと顔をあげた時に目が合うと、にっこり笑ってくれるAさん。恋愛経験は片手で足りるほどだった私が、Aさんに惹かれるのに時間はかかりませんでした。

 一週間ほど経過して、部署の方が私のために歓迎会を開いて下さいました。お酒も入り皆と会話をしていると、とても楽しく時間が流れ、あっという間にお開きの時間になってしましました。

「二次会しようよ!」Aさんと、もう一人の男性が声を掛けてくれました。他の女性社員も誘い、4人で別の場所で飲み直すことに。お酒もだいぶ入り、Aさんは普段にも増して饒舌になると

「Mさん(私)めちゃくちゃかわいいよね。今日連れて帰りたい」などと、冗談を言って皆を笑わせていました。二次会を終え、家に帰る為にタクシーを拾おうとすると、Aさんが寄ってきました。

「ほんとに連れて帰りたいよ。会った日から、可愛いって思ってた」酔ってはいたけれど、いつものように素敵な笑顔で言われ、ドキドキしてしまいました。ちょうどその時タクシーが来たので、笑顔で挨拶をしてその日はそのまま帰りました。

 次の日、会社に行くと、Aさんはいつもと変わらず声を掛けてくれました。ああ、やっぱり昨日は酔ってて冗談言ってただけなんだわ、と少し安心して仕事に取りかかりました。

 その日はやることも少なかったので、部長に大量のコピーを頼まれた私は、コピー室に籠もっていました。部署の隅に、小さな個室のように存在する薄暗いコピー室には、シュレッダーも置いてあったのですが、書類を処分するためにAさんがやってきました。私の顔を見ると、にこっと笑い、近くに寄ってきて小声で

「昨日の、嘘じゃないからね。俺、本気だよ?」と言うと、そっとキスをしてきました

 びっくりした私は、高鳴る胸を押さえ、うつむくのが精一杯でした。そのとき、コピー室に歩いてくる足音が聞こえたので、Aさんはすぐさま書類をシュレッダーにかけて、そのまま出て行きました。その日のランチは、昨日二次会をした女子社員と一緒に食事をとることにしました。

「昨日、AさんってばMさんにあんなこと言ってたけど、彼女いるのによくああいうこと軽く言えるよね」

「えっ?」

その女子社員によると、彼女は隣の部署で、同期入社なのだそうです。とっさにコピー室での出来事を思い出し、私はまた胸が苦しくなってしまいました。彼女へ罪悪感と、Aさんに芽生え始めていた恋心とがグチャグチャになってしまいました。

「Mさんおとなしそうだし、騙されないようにね!Aさんって楽しいけど軽いのがよくないわよね」

女子社員の方は冗談で会話を締めましたが、私は涙がこぼれないように堪えながら愛想笑いするのが精一杯でした。その後、派遣期間が終わるまでAさんには数回誘われましたが、なんとか断り続けました。後で聞いた話では、彼女が最近結婚を迫っていて、Aさんはまだその気になれず別れたがっていたのだとか。

もし、私がAさんと恋愛関係になり、それが元で彼女と大揉めすることになっていたらと思うと恐くゾッとしてしまいます。いくら素敵な人だとしても、恋愛するなら絶対にフリーの人がいいなあと改めて思いました。

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妻子ある男性との恋愛事情

妻子ある男性との恋愛事情私は、妻子持ちの男性を好きになりました。連絡は常に、相手からです。

おはようメールからお休みメールまで、丸一日メールをしており、時には仕事の合間に電話がかかってくることもありました。

最初は、正直言って面倒くさかったのですが、メールと電話が続くにつれて楽しみに変わっていったのでした。

連絡を取り始めて約1か月、遊びに行こうと誘われましたのですが、わざわざ仕事を休んで、もちろん奥さんには内緒で行くつもりらしいのです。水族館へ行ったり、海へ行ったり時間はあっという間に時間は過ぎていきました。正直言って、一日中緊張しっぱなしでした。

海を眺めながら、彼はこう言いました「俺は君のことが好きだよ。でも俺には嫁と子供がいる。このままで良いなんて思ってないけど、君さえ良かったらこうしてたまに二人で出掛けたりしたいな。」

こんなセリフをサラッと言えてしまう彼は、女ったらしだと感じました。でも恋愛というのは、分かっていても止まらないものなんですよね。私はそれでも良いと、思いました。

彼とは結局、今だに連絡を取っています。何か変わった訳ではなく、いい加減好きなんて気持ちは薄れていますが、たまに来るメールを心のどこかで楽しみにしている自分がいます。

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